第36回先端技術大賞の授賞式で記念撮影する受賞者ら=20日午前、東京都港区の明治記念館(斉藤佳憲撮影)
優れた研究成果を上げた理工系学生や企業・研究機関などの若手研究者、技術者の論文を表彰する「第36回 独創性を拓く 先端技術大賞」(主催・産経新聞社、後援・文部科学省、経済産業省、フジテレビジョン、ニッポン放送、特別協力・アカリク)の授賞式が20日、東京・元赤坂の明治記念館で開かれた。
式典では、超高感度でありながらコンパクトでコストも低い磁気センサーの開発にめどをつけた東北大学大学院博士課程後期2年の赤松昇馬さんに学生部門の最優秀賞「文部科学大臣賞」が贈られた。また、次世代の超軽量二次電池の社会実装と効率的なエネルギー活用の研究に取り組んだADEKAの撹上健二氏らに、社会人部門の最優秀賞「経済産業大臣賞」が贈られた。このほか6件の論文も顕彰された。
審査委員長の阿部博之・東北大学名誉教授は「特定の学問領域に当てはめることができない複合的な研究がますます多くなっている」と指摘。その上で「学生部門では、学生らしい斬新な発想、ユニークな着想の研究が目立った。社会人部門では、環境・エネルギー分野、バイオ、生体・医療分野で秀逸な研究が多かった」と講評した。
優れた研究成果を上げた理工系学生や企業・研究機関などの若手研究者、技術者の論文を表彰する「第36回 独創性を拓く 先端技術大賞」(主催・産経新聞社、後援・文部科学省、経済産業省、フジテレビジョン、ニッポン放送、特別協力・アカリク)の授賞式が20日、東京・元赤坂の明治記念館で開かれた。授賞式に集まった受賞者は一人一人壇上に上がり、賞状を受け取ると会場から祝福の拍手が涌いた。
今回は学生部門と社会人部門あわせて44件の応募があった。この中から8件が入賞した。学生部門の最優秀賞である「文部科学大臣賞」を受賞した東北大学大学院の赤松昇馬さんは「これまでの研究で課題も見つかった。医療分野などでの社会実装に向けて開発を進める」とやや緊張気味に話した。将来について話し出すと「大学発スタートアップ(新興企業)に興味を持っており、起業したい」と目を輝かせた。
開発に取り組むのは超高感度磁気センサー。これを活用して、脳で考えただけでその通りに機械を動かすブレーン・マシン・インターフェースの実用化に意欲を示した。
社会人部門の最優秀賞である「経済産業大臣賞」が贈られたADEKAの撹上(かきあげ)健二氏は、「栄誉ある賞をいただくことができ、たいへん光栄」と満面の笑みを浮かべた。
受賞対象になった「硫黄系正極材料」は、「スマホやEV(電気自動車)で使われている二次電池(バッテリー)の重量を2分の1から3分の1にできる可能性がある材料」だという。実用化に向けた課題の1つに量産化を挙げるが、「他の材料メーカーや電池メーカー、製造装置メーカーなど〝オールジャパン〟で開発を進め、持続可能な社会の実現に貢献したい」と述べた。
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