地球環境大賞 | 一般社団法人日本鉄鋼連盟 世界初、鉄鋼生産プロセスのCO2効率指標を「ISO14404」として国際標準化 |
---|---|
経済産業大臣賞 | キヤノン株式会社 ライフサイクルアセスメントを活用したCO2を低減する製品開発プロセスへの取り組み |
環境大臣賞 | カネパッケージ株式会社 空気をきれいにする夢のパッケージとマングローブ植林活動の積極展開 |
文部科学大臣賞 | 青森県立名久井農業高等学校 TEAM FLORA PHOTONICS サクラソウの保護や被災地の除塩活動などの幅広い取り組み |
国土交通大臣賞 | 清水建設株式会社 “森の中のオフィス”―日本初のゼロエネルギービル実現への取り組み |
農林水産大臣賞 | 霧島酒造株式会社 地域とともに発展する「環境共生型焼酎工場」の実現 |
日本経済団体連合会会長賞 | オムロン株式会社 生産性・品質の維持向上と電力消費削減を両立する省エネ改善活動で成果 |
フジサンケイグループ賞 | 大和ハウス工業株式会社 エネルギー”ゼロ”の住宅・建築・街づくり―自社のエコ技術を事業を通じたエコへ |
「世界初、鉄鋼生産プロセスのCO2効率指標が『ISO14404』として国際標準化」
鉄鋼連盟が提案した製鉄所のCO2排出量・原単位計算方法が、国際規格「ISO14404」として採用された。日本の鉄鋼業は、省エネ技術の開発などにより世界最高水準のエネルギー効率を達成してきた過程で、省エネ法をベースとした製鉄所の効率評価手法を適用。国際的に共通な効率指標の開発を提唱し、主導してきたが、「ISO14404」は日本の効率評価方法の思想を活かし、国際連携のもとで世界中の鉄鋼メーカーが共通に使える手法に改良したもの。鉄鋼のみならず、生産プロセスCO2効率の具体的計算方法を世界で初めて国際規格として世に出すことで、地球環境の改善に標準化によって貢献するという極めて大きな第一歩を踏み出した。
「ライフサイクルアセスメントを活用したCO2を低減する製品開発プロセスへの取り組み」
低炭素社会、循環型社会の実現に向け、製品開発プロセスにライフサイクルアセスメント(LCA)を導入し、環境配慮製品開発を加速。初期の目標設定・構想~開発プロセスでの進捗指標にLCAを導入し、CO2削減目標を機能別の設計目標や実現技術へと落とし込むことで、目標を確実に達成する仕組みを構築。省エネでは技術投入と進化・発展を行い、業界全体を牽引しCO2 削減運動を引き起こした。リサイクルでは製品から製品へのクローズド体制を構築するなど、2008年から5年間で累計約760万tのCO2を削減。これはキヤノンの1.5年分のライフサイクルCO2に匹敵する。
「空気をきれいにする夢のパッケージとマングローブ植林活動の積極展開」
「空気をきれいにする夢のパッケージ」をコンセプトに、コア技術である「緩衝設計技術」を駆使して、最小の容積、最軽量の梱包材を提案。省資源化、コスト削減、輸送効率アップに伴うCO2の大幅な削減などを可能にした。 一方、CSR活動の一環として、海外でマングローブ植林を積極的に行ない、「マングローブ林の再生」と同社のオペレーションを通じて輩出する「CO2のオフセット」を全面的に打ち出している。日本ペプシコーラ(現在サントリー)の協力で100円のジュースで10円の植林基金を得る形を作った。2013年9月現在で、植林本数4,421,314本、植林面積124.3haとなった。
「サクラソウの保護や被災地の除塩活動などの幅広い取り組み」
東日本大震災で地元の種差海岸が津波に遭ったことをきっかけに、サクラソウ保護や花壇の除塩に取り組みだした。花を再生させることが被災地に笑顔を取り戻す第一歩と考え、社会に貢献する農業を学びながら校訓である「緑育心」を体現させた活動を続けている。具体的には「津波被害を受けた種差海岸のサクラソウの救出と継続した保護活動」、「考案した除塩技術による被災地の除塩活動と技術公開」、「地域の都市公園の修景池における水質浄化ボランティア活動と水上ガーデニング作り」、「草花や考案した技術を活用した地域の子供たちに対する環境教育活動」など。
「“森の中のオフィス”―日本初のゼロエネルギービル実現への取り組み」
“自然と人とが共生するモデルづくり”として、山梨県北杜市の八ヶ岳南麓で日本初のゼロエネルギービルを施工。地域特性・資源を活かした自然エネルギーの積極活用と最先端の創エネルギー環境技術を結集、“CO2排出ゼロ”を実現した。建物はCO2排出量を低減させるため木造建築とし、木材の約9 割は山梨県産材を使用しFSC(森林管理協議会)プロジェクト全体認証を取得した。使われた省エネルギー技術は①地域特性を生かした自然エネルギーの活用で冷暖房はほぼ不要②自然光を最大限活用し晴れの日の照明はほぼ不要。創エネルギー技術は①高効率太陽光発電で年間電力量の約50%を賄う②地元資源を活用、木質バイオマスを利用したエネルギーシステムの採用③日本最大級の大容量リチウムイオン蓄電池とマイクログリッド−−など。
「地域とともに発展する『環境共生型焼酎工場』の実現」
「地域に根差し、地域とともに発展する」を経営方針に、原料芋栽培の持続可能性への取り組み、生産過程で発生する焼酎粕・芋くずからのエネルギー回収、水源地域での植林など「自然の恵みを守り育み」、「大切に使う」活動を積極的に推進、地域とともに発展する「環境共生型焼酎工場」を実現した。具体的には、焼酎粕・芋くずからバイオマスエネルギー(バイオガス)を回収・利用し、飼料や堆肥として地域へ還元や生産者と連携した栽培拡大、品質向上、種の保存を実施。霧島山麓での植林による伏流水の保全などを実施。今後は回収したバイオガスを工場熱源として利用した際に発生する余剰ガスの有効利用を目的に、出力計1900kWのガス発電機を設置し、2014年度から年間約400万kWhの発電を行う予定。
「生産性・品質の維持向上と電力消費削減を両立する省エネ改善活動で成果」
生産プロセスでの本質的な省エネ活動が重要と考え、同社綾部工場で2010年から省エネ環境改善活動をスタート。現場の状態や環境をモニタリングするセンサと、電力環境“診える化”システム「環境あんどん」を用いて生産現場の電力量と環境を監視・診断し、電力の供給側である施設部門と使用者側である生産部門が連携して省エネ活動を進めた。これにより、電力消費が大きいクリーンルームの電力消費を10年度比で50%削減、浮遊するほこりの量を3分の1に減らすなど「生産性や品質の維持向上と電力消費の削減を両立する省エネ改善事例」を12年度末時点で36件創出し、工場で使用する生産電力を10年度比で18.3%削減した。
「エネルギー”ゼロ”の住宅・建築・街づくり―自社のエコ技術を事業を通じたエコへ」
『アスフカケツノ(明日不可欠の)』事業を通じて、社会に貢献したいと考え、なかでも、『カ』(環境)については、2011年に10年先を見据えた「環境中長期ビジョン2020」を策定し、グループ一丸となって取り組みを進めている。地球温暖化防止については「民生部門」のCO2排出量の削減に向け、自社施設での省エネ・省CO2に取り組む一方、自然エネルギーの大量導入を推進。これらの知見を活かし、エネルギー”ゼロ”の住宅・建築を開発、全国で普及を進めている。
今年度は、これら取り組みを一歩進めるとともに、街区全体でのエネルギー収支がプラスとなる「ネット・ゼロ・エネルギー・タウン」を晴美台エコモデルタウン(大阪府堺市)で日本で初めて実現。このほか地域ごとに特色あるスマートタウンを全国展開するなど『アスフカケツノ』をキーワードに独自の街づくりを進めている。