秋篠宮ご夫妻が見守られる中、日枝久・フジサンケイグループ代表(右)からトロフィーを授与される大和ハウス工業の樋口武男会長=21日午後、東京・元赤坂の明治記念館
地球温暖化の防止に熱心に取り組む企業や団体などを表彰する第18回「地球環境大賞」(フジサンケイグループ主催)の授賞式が21日午後、秋篠宮ご夫妻をお迎えして、東京・元赤坂の明治記念館で行われた。
式典では、大賞に輝いた大和ハウス工業の樋口武男会長が、「光栄であると同時に、強い責任を感じている。今回の受賞を励みに、人が心豊かに生きる社会の実現に向け、住宅産業界をリードしていきたい」とあいさつ、受賞理由となった「自然と調和した街づくりの推進」に決意を新たにした。
また、フジサンケイグループの日枝久代表は、「社会の持続的発展のために、今日ほど地球的規模での環境問題の解決が求められている時代はない」としたうえで、「(二酸化炭素の排出削減には)長期的な視点に立ち、美しい地球の生態系を守るという『地球愛』の考え方で取り組むことが必要だ」とアピールした。
授賞式、レセプションには産業界を中心に、官界、学界などから約500人が出席した。
地球環境大賞のレセプション会場で笑顔をみせる神石小学校の卒業生ら=21日、東京・元赤坂の明治記念館
第18回「地球環境大賞」で、地域とともに環境教育活動を展開したとして堺市立神石小学校(堺市堺区)が「環境地域貢献賞」を受賞した。地元の河川を中心に行っている環境教育が評価されたためで、同校の永井潔校長は「受賞を契機に、より一層活動に力を入れていきたい」と意気込みを語った。
神石小の環境教育活動は、2002年度に総合的な学習の時間で校区の南部を流れる石津川について調べたことを契機に開始。石津川は住宅街などの間を流れる都市型河川で、ごみが目立っていたため、神石小の児童が清掃や水質調査などを進めた。
また、大阪府鳳土木事務所や堺市環境局環境共生課と協力し、石津川の川岸にヨシの植栽も実施。一連の取り組みが功を奏して、石津川の水質は改善した。
21日に東京・元赤坂の明治記念館で行われた授賞式には、今春に神石小を卒業した一森夕夏さん(12)など卒業生3人が出席。授賞式を前に、庭園で秋篠宮ご夫妻に「石津川をきれいにする活動をしています」と報告した。秋篠宮ご夫妻は笑顔をみせられたといい、活動を報告した谷和紅希さん(12)は「お会いできてとてもどきどきしました」と緊張した表情で話した。小塚雅司さん(12)は「先輩たちが頑張ってきてくれたおかげ。今後もよりきれいな川にしていきたい」と語った。

栄えある第18回「地球環境大賞」を受賞し、大変光栄であると同時に、強い責任を感じています。
現在、私たちが直面している地球温暖化問題は人類にとって最大の試練といえます。全世界における二酸化炭素(CO2)排出量は約270億トンに達し、自然界が吸収できる量の2倍以上といわれています。中国やインドなどの経済成長を考えますと、このままでは地球環境が持ちこたえられないのではないかとの思いを強くいたします。金融破綻(はたん)による世界的同時不況の真っただ中ではありますが、こうした地球環境問題への取り組みの歩みは緩めることなく、むしろ加速していくべきであろうと考えています。
国内に目を移しますと、住宅を含む民生部門のCO2排出量は1990年比で約4割、一貫して増え続けており、住宅や建築に携わる私どもの役割と責任は極めて重いと自覚しております。
そんな中、私ども大和ハウスグループは、個々の住宅における省エネ対策はもちろん、地域の自然を最大限に生かして街全体でCO2を削減する取り組みを進めております。その先導的な事例の1つとして、昨年街開きいたしました「越谷レイクタウン」では、戸建て街区とマンション街区の一体開発を行い、風・太陽・水といった地域の自然を生かして街全体で20%以上のCO2削減を目指しております。今回の受賞は、私どもが長年取り組んでまいりました「自然と調和した街づくり」をご評価いただいたものと、非常にうれしく感じております。
今回の受賞を励みに、今後も、「人が心豊かに生きる社会」の実現に向けて、日本の住宅産業界をリードしていく覚悟で、微力を尽くしていく所存です。

本日は秋篠宮殿下や各界を代表される皆様のご臨席のなか、僭越(せんえつ)ながら昨年の受賞者を代表いたしまして、乾杯の音頭をとらせていただきます。
受賞者の皆様、本当におめでとうございます。皆様の環境保護への熱い思いと、並々ならぬ努力が本日の受賞に結びついたと思っております。
待ったなしの不況下にはありますが、環境への取り組みはますます必要になっており、期待やニーズは高まっていく一方です。また、不況から脱却するためのトリガーとしても期待されております。
明治記念館に到着された秋篠宮ご夫妻。出迎えに笑顔で答えられ、授賞式会場に向われた
私も皆様とともに、地球環境への感謝といたわりの気持ちをしっかり抱いて、価値ある商品、サービスの開発と技術革新に努めて参りたいと思います。
■過去の「地球環境大賞」受賞企業
第1回(1992年) | キヤノン | 第11回(2002年) | 松下電器産業(現パナソニック) |
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第2回(1993年) | 日立製作所 | 第12回(2003年) | リコー |
第3回(1994年) | 日本IBM | 第13回(2004年) | 松下電工(現パナソニック電工) |
第4回(1995年) | キリンビール | 第15回(2006年) | 旭化成グループ |
第5回(1996年) | 富士通 | 第16回(2007年) | ライオン |
第6回(1997年) | 東日本旅客鉄道 | 第17回(2008年) | TDK |
第7回(1998年) | トヨタ自動車 | ||
第8回(1999年) | ミサワホーム | ||
第9回(2000年) | 日本電気 | ||
第10回(2001年) | ソニー |
環境に熱心な企業の協賛によって運営されている地球環境大賞。今年も特別協力のせかい自然保護基金(WWF)ジャパンの徳川恒考会長(右)に寄付金の目録が贈られた
格調高く、厳粛な雰囲気の授賞式会場
開発エリアの北西部にめぐらされている「シラカシ」の高垣
東京のベッドタウン、埼玉県南東部に位置する人口約32万の越谷市に“誕生”した「越谷レイクタウン」。第18回地球環境大賞を受賞した大和ハウス工業が手掛ける「自然と調和した街づくり」の実際と環境への取り組みを現地に見た。(松元洋平)
都心から電車でおよそ40分。昨年3月の街開きと同時に開業したJR武蔵野線「越谷レイクタウン」駅。正面に広がる大相模調節池を中心に、周辺一帯は豊かな自然が息づいている。
遊歩道や桟橋なども整備された調節池から、道路一本隔てたところにあるのが大和ハウスが一体開発を進めている分譲マンション「D’グラフォートレイクタウン」(500戸)と、戸建て住宅街「レイクタウン美環(みわ)の杜」(132戸)だ。
分譲マンションの屋上にびっしり敷き詰められた太陽熱パネル
マンション、戸建てのいずれも環境省が2006年度からスタートさせた「街区まるごとCO2削減20%削減事業」の第1号案件として採択されており、開発する街全体で27.4%削減を計画しているという。
「風や太陽の光、水辺、地域の気候条件などを快適な住環境に生かせないか。それが街づくりの出発点だった」と、技術本部東京デザイン事務所の井野善久・街づくりグループ主任技術者は振り返る。
計画の実現に向け、分譲マンションでは外張り断熱材をはじめ、給湯・暖房用に太陽熱を最大に利用した最先端のシステムを導入。省エネ対策として、マンション屋上には総面積1000平方メートルにものぼる太陽熱パネルが敷設されている。
地域の自然との調和で、今回とくに力を入れたのが「風」の利用だ。東大生産技術研究所と組み、最新のシミュレーション技術によって住宅街区全体の風の流れを把握。「シミュレーションの結果、風の通りが悪かった部分は道路の線型も変えた」(井野氏)という。その解析結果をもとに、室内により多くの風を取り込めるように、住宅の窓や吹き抜けの位置、窓の開閉の向きなども調整した。
風を意識したのは、住宅だけではない。街中にある樹木も快適な生活をサポートしてくれる重要な存在。この地域の冬は北西風が強いことで知られることから、ここでは6メートル以上に成長する「シラカシ」で作った高垣をマンションと戸建て住宅の2つのエリアの北西部全体にめぐらせている。その長さは400メートルにも達する。
「高垣の効果は防風だけではない。葉や枝のすき間から陽がさし込んで室内を明るくするので、さらなる省エネにつながる」(同)という。
とにかく、開発エリア全体に多くの木が植えられ、「緑の街」の印象を受ける。こうした木々は、住んでいる人にやすらぎを与えると同時に、街全体に隣接する運河などの水辺からの風が各戸に効率的に通るように計算され、植えられている。「風の流れを読むことで、エアコンなどの助けを減らす生活が送れる」と井野氏。住んでいる人がエコライフを意識しなくても、二酸化炭素(CO2)削減につながるというわけだ。住まいや街は建設して終わりではなく、住まい手とともにはぐくむものであり、CO2削減の取り組みも、住まい手の共感を得ながら実践に移し最大限の効果を生み出す。大和ハウスの「自然と調和した街づくり」は、こんな環境ポリシーが肌で実感できるプロジェクトでもある。
21日、東京・元赤坂の明治記念館で行われた第18回「地球環境大賞」の授賞式。会場には環境フロントランナーである受賞企業の代表、関係者らの笑顔が集い、温暖化防止など地球環境問題の解決に向けた経営ビジョンや技術に胸を張った。
■経済産業大臣賞
矢野薫・日本電気社長 私どもは、2010年にCO2排出“実質ゼロ”を目指した環境長期ビジョンを03年に策定し、環境にやさしいIT機器やソリューションの提供に努めてまいりました。本賞の受賞を励みに、今後も一層、事業を通じて社会の環境負荷削減に取り組んでまいります。
■環境大臣賞
中村満義・鹿島建設社長 「100年をつくる会社」を標榜(ひょうぼう)し、持続可能な社会基盤整備に取り組む弊社にとって今回の受賞は大きな励みです。地球温暖化防止と並ぶ重要課題である生物多様性保全に、建設事業を通じ貢献していきたいと存じます。
■文部科学大臣賞
伊藤文大・クラレ社長 工場などから排出される環境負荷物質をいかに極小化するか。この課題に独創的な技術で応えたのが、水質浄化・廃棄物削減を実現する排水処理システム「ゼクルス」です。今回の受賞を励みに、今後も技術の力で環境問題に解決策を提供していく所存です。
■国土交通大臣賞
越村敏昭・東京急行電鉄社長 当社は、「自然環境との融和」を目指し、鉄道車両や駅空調の省エネルギー化、建物の壁面・屋上緑化などを進めています。今後も、環境負荷の小さい交通機関である鉄道の利用促進、各事業での環境負荷低減に努めます。
■日本経済団体連合会会長賞
清水正孝・東京電力社長 地球温暖化問題を重要な経営課題とし、CO2削減対策に取り組んでおり、再生可能エネルギーについても、課題の解決に努めつつ一層の利用拡大を進めています。今後とも、環境負荷の少ない電気をお届けすることで、低炭素社会の実現に貢献してまいります。
■フジサンケイグループ賞
奥正之・三井住友銀行頭取 環境金融商品の開発や、環境配慮型の企業活動支援など、本業を通じた環境への取り組みを高く評価いただき、大変光栄に思います。今後も地球温暖化防止・低炭素社会の実現に向け、一貫性・継続性をもった環境活動を展開してまいります。
■フジサンケイビジネスアイ賞
牧野明次・岩谷産業社長 低炭素社会へ向け、既存のエネルギーを効率よくお使いいただく提案とクリーンな新エネルギーの開発が大きな柱と考えます。長年にわたる水素エネルギーの研究開発と啓発活動が評価を頂いたことは大きな励みとなるものです。今後とも地球環境保全へ使命感を持って取り組んで参ります。
宗廣宗三・エコリカ社長 無造作に捨てられるインクカートリッジへの疑問が事業化の原点でした。今回の名誉を、リユース・リサイクルシステムを共に築いたユーザーの皆様と共有し、今後も持続可能な環境貢献事業の推進に全力をあげて取り組んでいきます。
■地球環境会議が選ぶ優秀企業賞
工藤泰三・日本郵船社長 グローバルな総合物流企業グループとしてダントツの環境先進企業をめざす当社にとって、この度の受賞は未来への大きな活力になります。今後も地球環境保全や環境技術開発など、持続可能な社会の実現に取り組んでいきます。
■環境地域貢献賞
永井潔・堺市立神石小学校校長 校区を流れる石津川を教材にした活動を進める中で、子供の活動が大人を巻き込んだ活動へと発展させることができました。今後も地域・保護者・役所・NPO法人などと協働しながら環境教育を継続させてまいります。
緒明實・NPO法人グラウンドワーク三島理事長 本会は、「水の都・三島」の環境再生に、20年にわたり取り組んできました。その結果、今では、子供たちが遊び、ホタルが舞う美しい水辺環境が復活しました。今回の受賞を契機に、地球規模の環境問題への挑戦も続けてまいります。
授賞式を前に、明治記念館の庭園に勢ぞろいした受賞企業の代表者。この日は朝から曇り空が広がり、今にも降りだしそうな天気だったが、秋篠宮ご夫妻をお迎えしての庭園でのご懇談では、ほんの一瞬だが晴れ間ものぞき和やかな雰囲気に包まれた
第18回「地球環境大賞」の授賞式前、緑のじゅうたんを敷き詰めたような明治記念館の庭園で、今年も秋篠宮ご夫妻と受賞企業の代表によるご懇談の場が設けられ、和やかな雰囲気のなかで環境に対する思いなどに花を咲かせた。
三井住友銀行の奥正之頭取は、環境への取り組みを説明。「銀行と環境問題とは縁がないように思われるでしょうが…」と切り出すと、秋篠宮殿下は笑顔で応えられたという。奥頭取は「今後も取り組みを継続していきたい」と、環境経営への意欲を見せていた。
授賞式の後に開かれた記念レセプションには受賞者に加え、多くの企業関係者や招待客ら約500人が出席。秋篠宮ご夫妻の周りには受賞者はじめ出席者の大きな輪が広がった。
歓談する(左から)豊田章一郎・トヨタ自動車取締役名誉会長、阿部博之・化学技術振興機構顧問、合志陽一・前国立環境研究所理事長、徳川恒考・世界自然保護基金ジャパン会長
日本電気の枝廣正人主席研究員は、受賞理由となった高機能化と低消費電力を両立した携帯電話を片手に、「携帯電話は世の中の人が多く使うものなので、地球環境に貢献するのはとてもよいことだと思います、とのお言葉をいただいた」と感激していた。
会場ではまた、受賞を契機に環境対策をさらに強化するといった関係者の“決意”も聞かれた。
東京急行電鉄の越村敏昭社長は「地域に根ざした環境配慮活動を一段と進めたい」と意気込みを示し、クラレの伊藤文大社長は「化学の力で国際的な水不足問題や、環境問題の解決に貢献できるよう頑張りたい」と語った。
燃料電池の本格普及に向けた動きを追い風にしようとしているのが、燃料である水素の供給を行う岩谷産業。西田享平専務と上羽尚登専務は「創業者の岩谷直治は水素エネルギー社会の到来を唱え続けていた。供給力を強化し、きちんと役割を果たしていく」と語っていた。
東京電力の影山嘉宏環境部長は「再生可能エネルギーが評価されたのはうれしい」とした上で、「原子力などの組み合わせで低炭素社会に貢献したい」と強調。大和ハウス工業の玉田眞人技術本部環境部部長は「自然の力を利用して、うまく二酸化炭素(CO2)が削減できるように提案したい」と決意を新たにしていた。
最近、経済不安が続くかのような雰囲気の中で、将来に対する不安やあきらめなどを感じる人たちが増えてきているように感じますが、このような状況の中で、将来のために継続的に地道に環境に対する活動をしていることは評価に値すると思います。
大企業の産業活動はそれぞれユニークで学問としての成果も大きく、応用効果も注目されるものが多くみられました。地球環境問題への取り組みが定着し、その内容には優劣をつけがたくなっており、今後の成果が楽しみなものが多々ありました。
大学や自治体、学校部門の活動は、それぞれの分野でテーマを選び研究し、活動の成果も上がっています。これらの活動を継続してさらに高級な成果に達してほしいと思いました。
市民グループの活動も特色があります。ただ、地球環境に利用するとなると、その点では貢献という視点がもっと増えたほうが良いと思います。さらに考究を深めるために研究されることが必要です。
地球環境問題は、人類の課題としてますます深刻になってきています。そのため、環境への取り組みを競争優位性に結びつけ、次世代の地球を真にグリーンなものとするべく、社会の強力なステークホルダーとして、尽力されるよう望んでいます。
今回印象に残ったのは、大企業のみならず、中堅企業や地方自治体の積極的かつ斬新な取り組みです。社会のすそ野に広がってこそ、環境対策は意義が高まります。地球環境大賞を通して社会全体のレベルが上がることを、うれしく思っています。
今年から来年にかけ、人類にとって非常に重要な時期となります。12月にはコペンハーゲンでCOP15が開かれ、2013年以降の温暖化ガス排出削減の新しい枠組みが議論されます。また、来年10月には生物多様性条約締約国会議(CBD−COP10)が名古屋で開催されるなど、次世代に向け、まさに人類の英知が試されるときです。官民あげての環境対策が必要となる中、環境のフロントランナー企業として、なお一層の尽力をお願いいたします。
社会の持続的発展のために、今日ほど地球的規模での環境問題の解決が求められている時代はありません。
今年12月にはデンマークのコペンハーゲンでCOP15が開催され、京都議定書に続く、2013年以降の地球温暖化対策の新たな枠組みを決めることになっていますが、最大の課題であるCO2の排出量削減には低炭素社会の実現がなにより重要です。
CO2排出削減をめぐっては、先進国と新興国、開発途上国が長期的な視点に立って、世界全体の削減目標を共有し、美しい地球の生態系を守るという「地球愛」の考え方で取り組むことが必要だと考えます。
また、地球温暖化の防止に向けましては、企業や自治体などが果たす役割も、ますます重要となっています。地球環境大賞が、そうした企業・団体の、地道で、たゆみない環境活動の励みとなり、より良き社会や新たな時代の創造に少なからず寄与することができますことは、誠に喜ばしい限りです。
フジサンケイグループは、「環境」と「経済」、そして「社会」との調和・統合による豊かで活力にあふれた国づくりに向けて、邁進(まいしん)していきます。
本日、第18回「地球環境大賞」の授賞式にあたり、皆様とお会いできましたことを、大変うれしく思います。また、この度、受賞をされた方々に、心からお祝いを申し上げます。
近年、環境問題に対する人々の関心は一段と高まり、地球温暖化防止をはじめとして、人類が自然と共存・共生していく行動は、世界的な流れになっています。
今年12月にコペンハーゲンで開催される国連の気候変動枠組み条約第15回締約国会議では、京都議定書に続く地球温暖化の対策の新しい国際的枠組みについて、参加各国が議論し、合意を目指していくものと伺っております。そのようななか、地球規模の環境保全と持続可能な循環型社会の実現に向け、日本の優れた技術や知識が、世界の発展に寄与し、環境に配慮した豊かな時代を築いていくことは、誠に大切なことと考えます。
地球環境大賞は、産業の発展と地球環境との共存を目指し、環境への負荷をできるだけ少なくした、技術や製品の開発を促し、地球環境に対する、社会の意識向上を図ることを目的として、リオデジャネイロにおいて「地球サミット」が開かれた1992年に創設されました。それから18回目を数えるこの賞は、企業だけでなく自治体、学校、そして、市民グループなどを幅広く受賞対象とすることで、地球環境問題に熱心に取り組む人々の真摯(しんし)な姿勢を広く顕彰し、環境に対する意識を高めることに貢献してきたと言えましょう。
終わりに、受賞者をはじめとする多くの方々が、今後とも率先して、積極的な取り組みを進めていかれることを期待するとともに、その活動がより一層広がり、地球が緑豊かな、水の惑星として、末永く潤っていくことを願い、私のあいさつと致します。
大賞 | 大和ハウス工業 |
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経済産業大臣賞 | 日本電気 |
環境大臣賞 | 鹿島建設 |
文部科学大臣賞 | クラレ |
国土交通大臣賞 | 東京急行電鉄 |
日本経団連会長賞 | 東京電力 |
フジサンケイグループ賞 | 三井住友銀行 |
フジサンケイ ビジネスアイ賞 | 岩谷産業 エコリカ |
地球環境会議が選ぶ優秀企業賞 | 日本郵船 |
環境地域貢献賞 | 大阪府堺市立神石小学校 NPOグラウンドワーク三島 |