地球環境大賞を受賞したキヤノンの御手洗冨士夫会長兼社長(中央)。左は産経新聞社の近藤哲司社長、右は審査委員を務めたWWFの末吉竹二郎会長=7日午後、東京都港区の明治記念館(酒井真大撮影) 地球温暖化防止や持続可能な開発目標(SDGs)の達成に取り組み、成果を上げている企業・団体などを表彰する第33回「地球環境大賞」(主催・産経新聞社)の授賞式が7日、東京・元赤坂の明治記念館で開かれ、受賞者に表彰状とトロフィーが手渡された。 式典では、最先端半導体の製造工程で、従来の方式よりも消費電力を約90%削減できる技術で大賞に輝いたキヤノンの御手洗冨士夫会長兼社長が「当社の企業理念は社会人類との共生にある」と述べた。その上で「今回の受賞を励みとして、共生の理念のもと、今後とも半導体産業の発展と地球環境問題の解決の両立に努め、持続可能な社会の実現に貢献したい」と述べた。 また、産経新聞社の近藤哲司社長は「さまざまな分野で、高い環境技術を持つ日本のリーダーシップや次世代を担う学生のアイデアが求められている」と指摘した上で、「顕彰制度を通じて、環境と経済、環境と社会の調和による豊かで活力あふれた国づくりに今後とも邁進(まいしん)したい」とあいさつした。 地球環境大賞顕彰制度委員会の委員長を務める三井不動産の岩沙弘道相談役は「この賞の社会的評価をさらに高め、社会・経済の持続的発展の一助となるよう努めたい」と語った。授賞式後のレセプションは、秋篠宮ご夫妻をお迎えして開催された。 秋篠宮ご夫妻、地球環境大賞受賞者とご懇談第33回地球環境大賞を受賞したキヤノンの御手洗冨士夫・キヤノン会長兼社長CEO(右から2人目)らと懇談される秋篠宮ご夫妻=7日午後、東京都港区の明治記念館(酒井真大撮影) 明治記念館(東京都港区)で7日、開催された第33回「地球環境大賞」授賞式。式に続き行われたレセプションには秋篠宮ご夫妻が臨席された。 冒頭、大賞に輝いたキヤノンの御手洗冨士夫会長兼社長が「微力ですが私たちの技術が環境問題解決の一助になれば」とあいさつすると、ご夫妻は拍手を送られた。 懇談では、製造プロセスの消費電力を90%削減する半導体製造装置の製品化に成功した同社の岩本和徳理事に対し、秋篠宮妃紀子さまが「開発にはどのくらいかかりましたか」とご質問。「10年前後です」と答えた岩本理事は「開発メンバーの励みになる」と喜んだ。 経済産業大臣賞を受賞したUACJの田中信二社長は、受賞となったリサイクル素材の使用比率を上げた飲料缶のふたについて説明。秋篠宮さまは「缶の胴の部分とふたでは違う合金を使っているのですね」と驚かれた様子だったという。 家庭ごみ焼却由来などの再生可能エネルギーで走る次世代型路面電車(LRT)を実現し環境大臣賞を受賞した宇都宮市の佐藤栄一市長が、「超高齢社会を見据え、誰もが自力で移動できる街づくりを目指しています」と伝えると、ご夫妻は深くうなずかれた。 養鶏の際、通常の餌に比べ環境負荷の少ないコオロギを与え、文部科学大臣賞に輝いた鹿児島県立市来農芸高の環境園芸科2年、牧角ひかりさんは、工夫を重ねることで通常と同じ品質・数の鶏卵が生産できたことを説明。秋篠宮さまは「非常にいい取り組みですね」と話され、牧角さんは「一生懸命やってきてよかった」と語った。 |
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