第20回地球環境大賞 受賞者決定
第20回地球環境大賞 受賞者一覧
賞 |
受賞者名 |
受賞内容 |
地球環境大賞 |
東京電力株式会社 (受賞辞退) |
蒸気配管大規模連係による省エネ・CO2削減への取り組み |
経済産業大臣賞 |
株式会社ブリヂストン |
電子ペーパー『Aero Bee』の開発 |
環境大臣賞 |
株式会社伊藤園 |
茶殻の有効利用によるリサイクル製品の開発 |
文部科学大臣賞 |
株式会社NTTドコモ |
高度な技術を駆使したICTエコロジープロジェクトの推進 |
国土交通大臣賞 |
日本郵船株式会社 |
空気潤滑システム搭載したモジュール運搬船の実証実験 |
日本経済団体連合会会長賞 |
株式会社東芝 |
社内外における多角的環境コミュニケーションの実践 |
フジサンケイグループ賞 |
アサヒグループホールディングス株式会社 |
生物多様性宣言の策定とその取り組み |
産経新聞社賞 |
レンゴー株式会社 |
段ボールのリサイクル率向上と軽量化の推進 |
フジサンケイビジネスアイ賞 |
株式会社ジオパワーシステム |
地中熱利用換気システムの開発 |
環境地域貢献賞 |
信州省エネパトロール隊 |
地域の中小零細企業への無料省エネ診断の実施 |
兵庫県たつの市立小宅小学校 |
全学年による系統的な環境教育の実践 |
地球環境大賞第20回記念特別大賞 |
京都府機船底曳網漁業連合会 |
アジア初の「MSC認証」取得など持続可能な漁業への貢献 |
第20回地球環境大賞 受賞内容詳細
大賞東京電力株式会社 (受賞辞退)
「蒸気配管大規模連係による省エネ・CO2削減への取り組み」
川崎火力発電所の近隣コンビナート10社に、発電に利用した後の蒸気を年間30万t供給。
各社ごとに蒸気を生成していた従来工程に比べ、原油換算で年間約1万1000kl(一般家庭約9500世帯分)、年間約2万5000tのCO2排出量(約4700 世帯分)を削減。
既存コンビナートで新たに配管(総延長6.5q)を設置し、大規模連係を行うのは国内で初めて。
経済産業大臣賞株式会社ブリヂストン
「電子ペーパー『Aero Bee』の開発」
バックライトを使用しない全反射型の環境対応型次世代のディスプレイ。使用時の電力消費が非常に少なく、紙のように白く読みやすいため、紙を大量に消費するさまざまな分野で使用が可能。紙資源の削減や既存ディスプレイを代替することで森林破壊を防ぎ、消費電力を削減、炭酸ガスの発生量を抑えるなど地球環境保護につながる。
環境大臣賞株式会社伊藤園
「茶殻の有効利用によるリサイクル製品の開発」
多くの水分を含み腐敗しやすい茶殻を工業製品の原料として有効活用することに成功。
第1号の茶殻入り畳芯材を手始めに、茶殻入りのせっこうボードやコンクリート、樹脂製品、ダンボール、封筒など数多くの製品を相次ぎ開発。
環境面だけでなく、新たな機能性製品として新しい市場を創出し、継続性のあるリサイクル活動を展開している。
文部科学大臣賞株式会社NTTドコモ
「高度な技術を駆使したICTエコロジープロジェクトの推進」
トラヒック増に伴う設備増設などで増加傾向にあるCO2排出量の削減に向け、検証用データセンター(立川ICTエコロジーセンター)を設立。
最新技術各設備の省エネルギー技術の導入検証を推進し09年からの第一検証では従前設備比66%削減を実証。
この結果をiモードセンターなどに適用することで、11年度は3010tの排出削減を見込む。
国土交通大臣賞日本郵船株式会社
「空気潤滑システムを搭載したモジュール運搬船の実証実験」
海上輸送でのCO2削減策として、空気を船底に送り込み泡の力で船舶と海水の摩擦抵抗を低減させる「空気潤滑システム」を三菱重工と共同開発し、昨年竣工したモジュール運搬船「邪馬台」と「大和」に搭載。
ブロア(送風機)方式によるシステムの恒久的運用は世界初。約10%のCO2削減効果を見込む。
日本経済団体連合会会長賞株式会社東芝
「社内外における多角的環境コミュニケーションの実践」
環境経営の推進力として、早くから多角的な社内外コミュニケーションを展開。
社内ガバナンスの構築に向け開始した環境監査は累計で2000件を超え、90年からは「東芝環境技術展」を開催、2000年から「環境展」として一般にも公開し社内外のステークホルダーと双方向のコミュニケーションを深め環境経営施策に反映させている。
フジサンケイグループ賞アサヒグループホールディングス株式会社
「生物多様性宣言の策定とその取り組み」
生物多様性からもたらす「自然の恵み」を次世代へとつなぐ『生物多様性宣言』を策定。
環境ビジョン2020の具体化に向け、各工場の水源地で地元NPOとともに森林保全活動を行うなど、持続的な森林経営の実現に向けた取り組みを強化。社有森「アサヒの森」は2008年に毎年1 万2200トンのCO2を吸収している。
産経新聞社賞レンゴー株式会社
「段ボールのリサイクル率向上と軽量化の推進」
板紙製造における古紙利用率は97.8%に達し、業界に先駆けて軽量薄型のCフルート段ボールの推進や軽量原資の開発に取り組み、より軽く・薄く、CO2発生も少ない段ボールの「軽薄炭少」化を積極的に進めている。
昨年開設した「福島矢吹工場」は昼間の工場使用電力の全てを太陽光発電でまかなっている。
フジサンケイビジネスアイ賞株式会社ジオパワーシステム
「地中熱利用換気システムの開発」
地中熱を利用する「GEO(ジオ)パワーシステム」は、床面積125uの標準的な新築住宅に導入した場合、一般家庭の消費エネルギー量に比べ56%の冷暖房エネルギーを削減でき、住宅1棟あたりで年間約1tのCO2削減が可能となる。
住宅だけでなく、工場、学校など大型施設でも実績を積んでいる。
環境地域貢献賞信州省エネパトロール隊
「地域の中小零細企業への無料省エネ診断の実施」
「競争より協調」を活動理念に、中小零細企業の経営と環境活動を両立させるため、さまざまな業種の企業・団体がボランティアで無料省エネ診断を実施。地域に根差した活動を通じてCO2削減および企業の体質強化を継続的にサポートしている。
長野県全域をカバー、累計232事業所の診断を行っている。
環境地域貢献賞兵庫県たつの市立小宅小学校
「全学年による系統的な環境教育の実践」
学校の東側を流れる山根川とその周辺で、全学年の児童がカリキュラムに沿った環境教育を実践。3年生以上の児童による月2回の山根川クリーン作戦では、数年ぶりにホタルが戻ってきた。
また、給食調理から出た野菜くずを堆肥に変え農園整備に使用したり、荒れ地をミニ広場にするなどの環境保全活動を継続している。
地球環境大賞第20回記念特別大賞京都府機船底曳網漁業連合会
持続可能な漁業に与えられる「海のエコラベル」認証として世界で広く知られているMSC認証は、厳しい基準に照らし合わせて海洋環境の保全を図りながら、持続可能な漁業資源の利用を実践していると認められた漁業に与えられます。
京都府機船底曳網漁業連合会は、このMSC漁業認証をアジア地 域で初めて取得(2008年)しました。
認証された取り組みの対象となっている魚種は、ズワイガニとアカガレイです。
京都府底連では、1980年代以降漁獲量が激減したズワイガニ、アカガレイについて、科学的な資源評価に基づいて資源管理のための計画をたて、漁期や漁獲サイズなどを自主的に規制する保護区を設けるなどの工夫を実施してきました。
これらの取り組みの結果、減少していた漁獲量を回復させることができました。
先駆的な資源管理の取り組みが、国際的な基準であるMSC認証取得につながったものです。
MSC認証を取得したことで、持続可能な漁業への貢献を通して世界 的に認知されただけではなく、未来の漁業における持続的な取り組みの先駆者として、マーケットへのMSC認証製品の普及に力を入れるなど、多様な活動を展開しています。
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