地球環境大賞 |
近未来デジタル社会を支える最先端半導体デバイス製造において消費電力削減・環境負荷低減を実現する「ナノインプリントリソグラフィ」技術 |
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経済産業大臣賞 |
環境負荷を低減した次世代の飲料缶蓋「EcoEnd™」を共同開発 |
環境大臣賞 | 栃木県宇都宮市/栃木県芳賀町/宇都宮ライトレール株式会社/宇都宮ライトパワー株式会社 次世代型路面電車(LRT)を基軸とした100年先も持続可能なまちづくり |
文部科学大臣賞 |
コオロギをタンパク源として養鶏に活用する研究を実施 |
国土交通大臣賞 |
LCCM 賃貸集合住宅「NEW RiSE LCCM」の商品化から普及・拡大への取り組み |
農林水産大臣賞 |
「特定苗木」の普及拡大に向けた採種穂園の整備と苗木生産 |
総務大臣賞 |
ペロブスカイト太陽電池を基地局で活用した実証実験を実施 |
日本経済団体連合会会長賞 |
「巡回回収システム」の構築による建材サーキュラーエコノミーの実現 |
日本商工会議所会頭賞 |
「普段着のZEB」を開発・実践、地域の脱炭素×ZEB化を推進 |
特別賞 |
武蔵野の自然再生へ、本社敷地内に「市谷の杜」を育成中 |
奨励賞 |
地球環境の保全と水産業の発展をめざす陸上養殖~地域循環型社会の実現~ |
奨励賞 |
豊かな海の再生で人・社会・自然をつなぐ「讃岐うどんウニ」project |
「近未来デジタル社会を支える最先端半導体デバイス製造において
消費電力削減・環境負荷低減を実現する「ナノインプリントリソグラフィ」技術
~カーボンニュートラルに向けた社会課題解決への挑戦~
同社は、世界で初めて「ナノインプリントリソグラフィ」(NIL)技術を用いた半導体製造装置の製品化を実現し、2024年9月、米国の半導体コンソーシアムである 「Texas Institute for Electronics」へ第一号機を出荷した。NIL技術は、従来の露光技術方式と比べ、製造プロセスの消費電力を約90%削減でき、大幅な省エネや環境負荷低減が期待できる新技術である。
経済産業省は「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」において、グリーン成長戦略を支えるのは強靭なデジタルインフラであり、グリーンとデジタルは両輪であると述べたのに加えて、半導体・情報通信産業を成長分野として位置付けている。微細な回路パターンが形成された最先端半導体の需要増に伴い、半導体デバイス製造の省エネルギー化への関心が高まり、半導体の技術革新は急務となっている。
NILは、レジストをウエハー上に塗布した後に、回路パターンを刻み込んだナノレベルの型をハンコのように押し付けて形成する。光露光技術にある現像工程を必要としないため、電力だけでなく水使用量、廃液排出量、化学物質排出量を削減し、環境に対する負荷を低減できる。同社は、NIL技術を用いた半導体製造のエコシステムを描き、外部企業等との連携を主導して装置および周辺工程の問題をクリアし、量産向けのNIL技術を確立している。
NIL半導体製造装置は、半導体以外に、微細な円柱状の光学素子を並べた構造を持つ「メタレンズ」(METALENS)と呼ばれる光学素子の製造への適用も期待されており、レンズ研磨による環境負荷(研磨クズの排出や水使用等)を低減できる。
環境負荷を低減した次世代の飲料缶蓋「EcoEnd™」を共同開発
両社は、リサイクル原料の使用量を大幅に引き上げながらも、現行の飲料用缶の蓋と同等の品質性能をもたせることに成功。現行の飲料用缶の蓋に比べてGHG排出量を約4割削減した飲料用缶の蓋「EcoEnd™」を共同で開発した。東洋製罐株式会社が国内で販売する飲料缶の蓋のすべてが「EcoEnd™」に置き換われば、GHGは年間約14万t削減される見込みである。
缶蓋と缶胴では、求められるアルミニウムの強度などが異なるため、(強度の必要な)缶蓋には一定量のアルミニウムの新地金(製造時のGHG排出量が大きい)を投入する必要がある。一方、再生アルミ地金は製造時のGHG排出量が新地金の約3%だが、成形に悪影響を及ぼす缶胴成分由来の金属間化合物が多く含まれる。株式会社UACJのアルミ材料製造技術と東洋製罐株式会社の蓋成形技術を新たに組み合わせることで、リサイクル原料の使用量を増やした場合においても現行蓋と同等の品質性能を実現した。
「EcoEnd™」の開発により、今後は缶蓋にも、より多くのリサイクル原料が循環使用され、新地金の使用量削減に伴うGHG排出量削減が期待できる。
次世代型路面電車(LRT)を基軸とした100年先も持続可能なまちづくり
~地域の再エネ100%で走行する「ゼロカーボントランスポート」の実現~
宇都宮市は、人口減少や少子・超高齢化への対応、脱炭素社会への移行など、社会環境の大きな変化に的確に対応するための将来の都市構造として、全国に先駆けて2008年に、「ネットワーク型コンパクトシティ(NCC)」を基本構想として位置付け、その形成に取り組んできた。
同市が目指すNCCは、中心市街地に加えて、それぞれの地域拠点、産業・観光拠点にまちの機能を集約、それらをLRTやバスなどの利便性の高い公共交通ネットワークなどで連携した持続可能な都市の姿である。
2015年11月、宇都宮市、芳賀町、地元経済界、交通事業者等が出資し、宇都宮ライトレール株式会社を設立。2021年7月、官民共同出資による宇都宮ライトパワー株式会社を設立した。
この2社と宇都宮市、芳賀町は2023年7月、脱炭素社会の構築に資することを目的にした連携協定を締結。宇都宮ライトパワー株式会社は地産の再生可能エネルギーメニュー「みやライト再エネ100」を策定。
これにより、2023年8月に開業した「芳賀・宇都宮LRT(ライトライン)」は、この地域で発電した再生可能エネルギーで走行する世界に類を見ない「ゼロカーボントランスポート」 を実現し、CO2排出量を年間で約9,000t(一般家庭で約1,600世帯分)の削減効果を得た。
コオロギをタンパク源として養鶏に活用する研究を実施
同校は授業で、生徒たちが国の天然記念物に指定された鹿児島県の伝統的地域資源である「薩摩鶏」を保存する活動の一環として、薩摩鶏にコオロギをタンパク源として与える研究を薩摩鶏保存会と共同で行い、採卵鶏では飼料費を削減し、同等以上の鶏卵生産に成功した。
生徒たちがこの研究を始めたのは、飼料価格の高騰に悩む畜産農家の声を聞いたことや、従来の餌では食いつきが悪かったことと、授業で昆虫学を学んだことなどがあった。コオロギを選んだのは、他の動物性蛋白質の生産に比べ、使用する水・餌、温室効果ガスの体重当たりの排出量がはるかに少なく、環境負荷が小さいことにあった。コオロギ養殖時の課題となったのは「タンパク質不足で起こる共食い」と「コオロギの加熱適温がわからない」ことから「育成率が下がる」ことだった。おからの餌に米ぬかを混ぜることやパネルヒータの使用で育成試験を行い、育成率を向上させた。また、コオロギ飼育で使用した米ぬかやおからを好気性発酵により、発酵飼料化を試みると同時に、「発酵熱」をコオロギ飼育の保温室用に利用して光熱費を軽減することを考え、一定の室温確保に成功した。養殖したコオロギは、採卵鶏用の飼料(発酵飼料と配合飼料の混合)に魚粉の代用として混ぜて与える実証実験を行い、同等以上の鶏卵の生産に成功した。配合飼料のみの飼料費に比べて飼料1kg当たり37円の経費削減となった。
加えて生徒たちは、熊本大学とのリモート授業で「カイコは糖尿病の薬として用いられている」ことを知り、カイコが唯一食べる桑の葉に着目し、雑食性であるコオロギの餌に桑の葉を混ぜれば、糖尿病の薬物療法につながる機能性成分が見つかるのではと仮説を立てて、熊本大学と実証研究を進めた。結果、カイコ以外では毒性が懸念された桑の葉は「コオロギには毒性を示さない」可能性を発見。コオロギとその糞を検証すると抗酸化活性の「桑の葉による制御」は可能で、機能性成分を含有し、有用であることが示した。抗酸化活性で機能性のある低炭素タンパク質素材として魚の飼料会社とも連携をとっている。
この他、小学生の自由研究から農業高校の活動記録まで使え、全国どこでもスマートフォンで入力できるような「生育記録アプリ」を地域企業と共同で開発している。これらの研究や活動では、保存会、生産者、大学、企業、自治体などと幅広く連携した。
LCCM 賃貸集合住宅「NEW RiSE LCCM」の商品化から普及・拡大への取り組み
~賃貸集合住宅のCO2排出量は「ゼロ」から「マイナス」へ~
同社は2021年6月に国内で初めて、CO2排出量が実質マイナスになる「LCCM賃貸集合住宅」を完成させ、2022年10月には「NEW RiSE LCCM」の名称で、国内で初めてLCCM商品の販売を開始した。現在までに、NEW RiSE LCCMの契約数は136棟(921 戸)、完成数49棟(283戸)になった。
完成ベースのCO2排出削減貢献量(運用期間35年)をZEH住宅と比較すると、2024年時点で2万923tの差となった。
同社のLCCM賃貸集合住宅の特徴には、高断熱構造や低消費電力機器などによる省エネ、資材製造時のCO2排出削減のためにバイオマス熱源による乾燥木材などの使用、太陽光発電による創エネルギー(片流れ屋根を採用しZEHの約2.5倍の発電量)の実現、資材の高耐久化による修繕サイクルの長期化で修繕時のCO2発生の抑制などがある。
開発にあたっては、近い将来の大量普及を念頭に置き、既存ビジネスモデルの変更や大幅な建設コストの上昇を伴わないことに留意し、既存商品をベースとして、従来の技術・取組に工夫を積み重ねることで達成した。
「特定苗木」の普及拡大に向けた採種穂園の整備と苗木生産
日本の森林は樹齢50年を超えたものの割合が半分以上を占める。この偏った樹齢構成は持続的な森林経営の大きな障害となって林業が低迷するだけでなく、CO2吸収など森林の持つ多面的機能の棄損などにつながる。さらには、花粉症の原因となり社会問題になっている。
同社も国内に約9万ha の社有林を保有し、主伐・再造林を進めているが、社有林経営では苦戦を強いられている。そこで同社グループは、一般のスギ・ヒノキに比べて成長量が1.5 倍(CO2吸収量が5割増し)、花粉量が半分以下という母樹が国の研究機関ですでに開発されていたことに着目。植栽から伐採までのサイクルの大幅な短縮、造林作業コストの低減が図れ、採算性があることから、この母樹の「特定苗木」を生産するため、様々な技術開発や事業スキームの構築を行っている。
これまでに母樹から特定苗木の種を得るため、特定母樹採穂園を2県(熊本・大分)に、閉鎖型採種園を4県(秋田・静岡・広島・鳥取)に整備し、国内最大規模となる160万本/年の特定母樹採種穂園を整備。独立型コンテナや専用培土などの苗木生産を技術開発して、全国13道県で30軒の地元生産者との協業で特定苗木を生産している。
2030 年までに外販も含めた1,000万本の苗木の生産体制構築を目指している。
ペロブスカイト太陽電池を基地局で活用した実証実験を実施
同社のCO2排出量は、携帯電話基地局とデータセンターなどの通信局舎での排出で、50%ずつを占めている。
カーボンニュートラルとネットゼロの実現を目指す同社は、基地局にシリコン型の太陽電池を併設し、発電した電力を基地局で消費する「サステナブル基地局」を 2023年6月より開始してきたが、電柱型基地局やビル設置型基地局などの太陽光パネルの敷設が難しい基地局への展開を図るため、2024年2月から、フィルム型で曲がるペロブスカイト太陽電池を基地局で活用した実証実験を実施し、同太陽電池が生み出す電気の供給ができた。
同太陽電池の取り付けについては、支柱へ直接巻きつけるのではなく、同太陽電池を巻きつけたポールの装柱という形を取った。
「サステナブル基地局」は、晴天の日中であれば、1局の基地局運用に必要な電力すべてを供給可能にし、夜間などはauエネルギー&ライフ株式会社が提供するCO2排出量実質ゼロとなるカーボンフリープランによる電力供給に自動で切り替えることで、24時間365日CO2排出量実質ゼロを実現するものである。
「巡回回収システム」の構築による建材サーキュラーエコノミーの実現
両社は、「建設副産物巡回回収システム」を共同で構築することで、従来、埋立処分されていた不燃系建材端材を建材メーカー工場で製品原料として再資源化する水平リサイクルを実現した。
大成建設株式会社は、巡回回収を2014年から段階的に実施し、再資源化する対象品目を拡大してきていたが、多品目分別と処理施設別の積載、建築現場と処理施設間の巡回が求められる非効率な運搬による運搬費の高額化とCO2排出量の増加などの課題があった。
同社は日本通運株式会社と共同して、複数現場の複数品目を同一車両で巡回回収し、積替拠点で集積後、建材メーカーごとに集約して、大型車両で建材メーカー工場へ二次運搬を実施する手法に加えて、建材メーカー工場から製品を運搬して来る車両の帰り便を利用する「動脈・静脈物流のマッチング」や、建材端材専用の回収容器「NRBOX」や環境配慮型車両「EV・FCEVトラック」などを導入することで、解決した。結果、2023年度の削減量は、車両台数635台、軽油5990ℓ、CO2(運搬時15.7t-CO2、環境配慮車両導入4.58t-CO2)となった。
今後は、巡回回収の対応エリア拡大や遠距離運搬のモーダルシフトの検討を、重点項目として推進していく予定である。
「普段着のZEB」を開発・実践、地域の脱炭素×ZEB化を推進
同社は、一般的な建材、設備をバランスよく組み合わせることで、普通の見た目でありながらも省エネ性能が高い、普及版のZEB建築を可能にする「普段着のZEB」設計手法を開発した。
「普段着のZEB」では、高価な最新の省エネ機器を使わず、一般的に使われる断熱材を通常よりも少し厚く使うなど、既製品で省エネ性能が高いパッケージ機器を採用している。加えて、実績に基づいたデータだけでなく、意匠設計と設備設計の担当が協力し、数多くのシミュレーション(仮説・検証)を行うことで、環境負荷低減・省エネ性能とコストのバランスに優れた計画を行う。この結果、顧客のZEBに対する金銭的な負担を削減するとともに、ZEBへの心理的ハードルを下げることに成功し、補助金利用がなくても「ZEB認証」を取得する建築主を増やすことができた。
これまでに事務所や金融機関店舗、物販店舗など様々な規模、用途で採用され、2024年10月現在、設計施工15件(現在施工中3件)の実績を得るまでに至っている。
武蔵野の自然再生へ、本社敷地内に「市谷の杜」を育成中
同社は、各拠点で「事業所内の緑地づくり」を進め、各敷地内で絶滅危惧種の保全や地域生態系に配慮した緑地の創出などを展開。
新しい価値の創出拠点として、本社がある東京都新宿区の市谷地区での都市再開発(東京都・新宿区の「市谷本村町・加賀町地区 都市計画」として2009年に決定)の一環として「都市における新しい森づくり」を掲げ現在、本社敷地内に「市谷の杜」を育てている。
この杜の半分は人工地盤で、武蔵野の自然を再生するというコンセプトのもと、人工軽量土ではなく、関東ローム層の赤土を採用。樹木が根を張れるように土壌の被り厚を1.5m確保した。
土壌底版となる建築躯体は荷重に耐える強度を確保するとともに、雨水排水の措置を行うなど、様々な技術的工夫を施した。
植栽では、武蔵野の雑木林をイメージし、潜在自然植生を基本に、すべて地域固有の在来種を選定した。
計画では2万㎡を緑地化する予定で、現在は総敷地面積の約3割に当たる1万5,000㎡まで緑化した。
専門家による生物調査に加え、従業員による日常的な「気づき記録」を行い、緑地の維持管理に活かしている。
緑地化により、ヒートアイランド現象の緩和や、生物が生息・移動できるネットワークの創出を期待している。2023年10月、環境省の「自然共生サイト」に認定され、2024年8月には「OECM」として国際データベースに登録された。
地球環境の保全と水産業の発展をめざす陸上養殖~地域循環型社会の実現~
地球規模の環境変動や乱獲などによる水産資源の枯渇化が進み、日本では漁業の担い手不足などで水産業が衰退する中、環境に依存しない陸上養殖が注目されている。
同社は、魚を「獲る」から「サステナブルに作る」仕組みを、地域の課題に合わせ、トータルソリューションで提供することで、地域循環型社会の実現を目指している。
同社は2022年1月、株式会社いちい(福島市のスーパーマーケット事業者)、学校法人加計学園岡山理科大学、株式会社NTTアグリテクノロジーの4者で、ベニザケ養殖の実証実験を福島市にある株式会社いちいの施設で開始し、2023年7月にベニザケの大型化に世界で初めて成功し、販売した。
同社が志向したのは「完全閉鎖循環式陸上養殖」で、「好適環境水」やICTによるデータ駆動型の飼育環境管理の仕組みを導入した。飼育水を循環濾過・再利用するため、従来の掛け流し式の養殖とは異なり、排水による周辺環境への影響の低減も図れる上に、寄生虫が混入するリスクがゼロになる。ICTにより、生産者の負担低減や広域的な管理、専門家によるタイムリーな技術指導などが可能となり、養殖の専門知識がなくとも安定した飼育が実現できる。「好適環境水」は、魚の成長に必要となる成分を含んだ人工飼育水で、海水魚と淡水魚の両方に適応できる塩分濃度が保持されるため、サケ科の魚の養殖でも種苗・稚魚から成魚まで飼育水の入れ替えをせずに済む。岡山理科大学が開発し、国内外で特許を取得済みである。
同社は今後、風評被害に苦しむ福島県の水産業や地域活性化などに貢献するだけでなく、「Made in Japan の仕組み」として各国へ展開し、貢献していく考えである。
豊かな海の再生で人・社会・自然をつなぐ「讃岐うどんウニ」project
同校が特に力を入れているのは「課題研究」の授業である。
同校海洋生産科栽培技術コースでは地域漁業の活性化を目標に、同校独自のブランド養殖魚の開発に取り組み、2013年から2023年までの間に「DCJ サーモン」、「マリンスイートフィッシュ」、「瀬戸のキラメキ」、「健康キノコ真鯛」の開発に成功してきた。
現在、同校が中心となり、香川大学や庵治漁業協同組合、株式会社遊食房屋、海山川里株式会社などと連携して「讃岐うどんウニ」を開発中である。これは、藻場の減少、磯焼けの一因となる上に個体増加で実入りのない空ウニとなったムラサキウニを駆除することで地域の藻場を再生・拡大すると同時に、駆除したムラサキウニを同校の栽培漁業実習場で畜養し、讃岐うどんや出汁殻など讃岐うどんの製造過程で出た廃棄物を活用し、工夫して与えることで、実入りや味の良いブランドウニを開発して新たな特産品を生み出すプロジェクトである。
2024年9月、ムラサキウニ400個体を回収し、同校での畜養実験を本格的に開始した。11月には生殖巣(可食部)のアミノ酸組成の分析結果を得るとともに、有識者による賞味試験を実施し、餌料や飼育方法等を検証する予定である。